JR東日本にお呼ばれした話、というかSuicaの話
こんにちは。シンです。
超お久しぶりです。
今回は10月7日にJR東日本さんにお呼ばれしたお話です。
7月に一度代表者の方とお会いしたあと、今回の意見交換会という流れです。
JR東日本からの問い合わせ
6月のある日、TOPIAに一通のメールが届いた。
JR東日本からである。
JR東日本!?
皆さんご存じJR東日本さんである。
まさかメールをもらうとは思わなかった。
メールの主旨としては、JRでは利用する多様な乗客の方が誰でも同じようにサービスを利用できることを目指しており、その一環としてセクシュアルマイノリティについても取り組み始めたので、今後の取り組みのためTOPIAの活動やメンバーの意見を聞きたいというものだった。
僕は「多様性は大事だの何だのと言っても、どうせ世間は厳しいでしょ?」と思っている節があるので、自分がよく利用している企業がセクマイについて真面目に考えていることを知ってうれしかった。
それプラスJR東日本という企業に興味があったので(まあミーハーである)、連絡をくださった社員の方と会うことにした。
結局、TOPIAメンバー4人で会うことになった。
これが7月の話である。
まず、社員の方からひとしきりJR東日本でどのような取り組みをしているかを伺った。
JR東日本では様々な乗客の方に質を落とさずにサービスを提供することを目指して取り組みをしているようだ。以前には身体障碍者の方との意見交換会を開いたとのことだった。
そのあと、何か鉄道を利用する上で困ったことはあるか、意見はあるか聞かれたので、滅茶苦茶しゃべった。
この人生、苦労も多いものでその手のネタは尽きないものである。
いろいろあり過ぎて逆に忘れていたりすることもするのだが、一つJR東日本の社員さんに聞いていただくのにピッタリの話を思い出した。
Suicaの話である。
Suicaの話
皆さんはSuicaをお持ちだろうか?
Suicaは便利である。チャージしておけば電車はもちろん、コンビニでもタッチするだけでお会計がすぐ終わる。
乗る区間に合わせて買う切符を変えるなんてこともしなくていい。
しかし、僕はSuicaを持っていない。
何故ならPASMO派だからである。
・・・え、そんなもんどっちでも一緒だって?
僕にとっては全然違うのである。
ちなみに、僕はSuicaとPASMOのスペック差については全然知らない。似たようなもんだろ、と思っている。
では何でPASMO派宣言をしているのか。
それはSuicaには性別表記があって、PASMOにはないからである。
僕が定期券つきPASMOを使いだしたのは中学生のころである。
最初はちょっとした偶然でSuicaではなくPASMOを使っていたのだが、あるとき親が使っているSuicaを見て、性別表記があることに気が付いた。
それ以来、買い替える機会があっても絶対にPASMOを買うようにしていた。
漢字一文字そんなに気にするか?って人もいるかもしれないが、僕は非常に気になるのである。
特に昔はただでさえ目にするのが嫌な自分の名前(出生時の性別が判別できてしまうやつ)が書かれている定期券なのである。性別表記なんて見せつけられたらたまったものではない。
大体、定期券に性別表記って必要か?いらなくない?いつ使うの?
元々は他人の定期券を不正使用していたときに改札で止められるようになんだろうけど、自動改札が普及した以上、性別も年齢も書いといてもあんまり役に立たなくない?
そもそも見た目の性別が同じで年格好が似てたら本人か判別できないし。
というわけで僕はPASMO派なのである。
せっかくの機会なので、この話を社員の方に直接伝えてみたところ、性別欄に関してはかなり盲点だったようである。
我ながらいい話を思い出したな、と思いながら、この話を携えて意見交換会にも行ってきた。
意見交換会当日
10/7に開かれた意見交換会には、JR東日本の社員の方、他大のサークルの方を含め総勢20人ほどが参加していた。
何となくお堅い雰囲気になるかと思っていたが、実際はフランクな感じで話しやすかった。あと社員の方でユーモア溢れる人がいた。
2時間ほど様々な話をしたが、個人的にすごく残った話がある。
それは、正しい情報を得るにはどうしたらいいか、という話である。
話の流れとしては、メディアも結構適当なもので、トランスジェンダー女性のことを「心は女性の男性」と表現したりするし、LGBTトイレをもてはやす風潮があったりする。情報を発信している側も正確な理解がないまま言っているから間違ったことが浸透してしまっているケースがある、といった流れだった。
その中で社員の方から言われた、「学ぼうと思っても何が正しいのか判別がつかない」という話が印象的だった。
なるほどそれはそうである。情報が氾濫している現状、誰の言っていることが正しいのかなんてわからない。まあ、セクシュアルマイノリティはどう対応してほしいか、自分のセクシュアリティについてどう思っているか個人差があるので誰か一人の意見が正しいなんてことはないけど、当事者から見てそれは明らかにおかしいだろうという意見も、非当事者からしたらもっともらしく大々的にメディアに書かれていれば信じてしまうだろう。
この問題の最終的な解決策としては、きちんと練られた教科書を作って義務教育段階で教えることだと思うのだが、それは今すぐ無理だし。
とりあえず森山先生の「LGBTを読みとく」(ちくま新書)を勧めておいた。
社員の方々はよく、まだ勉強し始めたところで全然わかっていない、申し訳ない、みたいなことを仰っていたが、皆さん知ろうとする姿勢があっていい人たちだな~、と思った。
知らなかったら知ればいいのだ。僕もまだまだ知らないことたくさんあるし。
もちろんここでもSuicaの性別表記の話はした。
今後Suicaの性別表記がなくなったら僕のおかげである。
今、この文章を書きながらドヤ顔をしている。
話は尽きず、2時間があっという間だった。
非常に有意義だったと思う。
JR東日本の皆様、呼んでいただきありがとうございました!
Suicaから性別表記が消えたら記念に買おうっと。
13歳の君に伝えたいこと~「LGBTは生産性がない」を見て~
こんにちは、シンです。
最近ブログをさぼっていました。学生の本分が忙しかったもので・・・
さて、今回は杉田水脈氏の「LGBTは生産性がない」発言についてです。
概要
何があったか簡単に説明すると、自民党の衆議院議員、杉田水脈氏が「新潮45」「『LGBT』支援の度が過ぎる」なる文章を寄稿し、その中で「LGBTは子供を作らない、つまり生産性がない」などと書き、LGBT差別解消に疑問を呈する発言をした。
「LGBTは生産性がない」自民・杉田水脈議員がこれまでの寄稿で主張してきたこと
この発言への反論
「子供を作らない」=「生産性がない」はおかしい。そもそも生産性って何を指しているんだ?そして生産性があるかどうか誰が決めるんだ?
「子供をつくらない」=「生産性がない」だったと仮定して、それは不妊を抱える人や高齢者も入ってくるけど、それはどうなんだ?
「生産性がない」人間は差別していいのか?そんな訳ないよね。基本的人権があるからね。
と、まあこんなもんかな。
他の人はここの掘り下げを書くのだろうけれど、今回のブログはこの先が長いです。
最初の感想
僕が最初にこの件を知って最初に思ったことを、正直に言おう。
「うわぁ、何かヤバい奴いるよ。無視無視。」
だってもう何からツッコんでいいかわからないほどに問題発言じゃないですか。「子供を作らない」=「生産性がない」がまず何言っているんだよだし、生産性がなかったら差別していいわけないし、「LGBTだからといってそんなに差別されるものでしょうか」って鏡を見てくれ、って感じだし・・・
あきれかえってしまって、怒る気にもなれず、忙しかったこともありそんなに気にしてなかった。
でも、数日経ってふと思った。
これは無視してはいけないんじゃないか?
ちゃんと怒らないといけないんじゃないか?
僕が中学生だった時のことを思い出して、そう思った。
中学生の僕
僕は中学生のとき、「LGBTには生産性がない」と思っていた。
正確には「トランスジェンダーである僕には生産性がない」と思っていた。
これは親や世間にかけられた呪いだった。
今から10年近く前の話だ。当時、「LGBT」なんて言葉はなく、セクシュアルマイノリティに対する風当たりは強いものだった。「性同一性障害」という単語は有名だったが、まだまだ変な人扱いだった。
僕がトランスジェンダー(当時僕は性同一性障害として認知していた。両者は同じものではないが、ここではトランスジェンダーと表記する)であると自認したのは13歳、中学一年生の時だ。
当時、僕は制服が原因で学校に行けなくなりそうになっていた。というか、女性として生きることが苦しくて苦しくてどうしようもなかった。
で、無理すぎて親にカミングアウトした。
結果は悲惨そのものだった。
このとき親に散々なことを言われてからというもの、長い自己否定との戦いが始まった。それこそ「生産性がない」みたいなことも言われた。
当時の僕には理解者は誰一人としておらず、気軽に差別発言をする人に会っては傷つき、会っては傷つき、最後には周りは全て敵だと思っていた。
そしてどんどん起こる第二次性徴への絶望感もすごかった。
そんな中僕が打開策を練るべく頼ったのがインターネットだ。ずっと性別適合手術のことを調べていた。性別移行した後の人生に思いを馳せることに救いを求めていた。
しかし、たくさんの情報があふれるインターネット。見たくもない情報も目に入ってしまう。
数々の心ない言葉、罵詈雑言。確かな悪意がそこにはあった。
今の僕だったらそれを見ても「うわぁ、ヤバい奴いるよ。ドン引き。腹立つ。」で終わる。怒ることはある。でもそんなに傷つきはしない。だって知らない人だし(これが知り合いのツイッターとかだったら話は別)。
でも、中学生の僕は違ったのだ。
ネットに書かれた雑な差別発言にいちいち傷ついた。見てしまうたび血の気が引いた。全ての差別発言が、自分に向かって言われている気がした。
よくわからない、誰だかも知らない相手の戯れ言ですらそうだったのだ。
じゃあ、国会議員だったら?
きっと僕は、日本という国から存在を否定されたと思っただろう。
それはきっと、僕の心に突き刺さっていたことだろう。
今回の「LGBTは生産性がない」という発言は、多くの人を崖に向かって蹴り飛ばしているということを杉田氏には理解していただきたい。
僕は、大きな声で「その考え方は間違っている」と言いたい。
この発言で傷ついた人に届くように。
僕にできることはそんなにないけれど、何もしないよりはいいと思ってブログを書いている。
もしも今、差別に苦しんで、自分は死んでしまった方がいいんじゃないか、と思っている人がいたら「あなたは生きていていいんです。」と力強く言いたい。
僕はそう、言って欲しかったのだから。
【宣伝】東京レインボープライドでブースをだすよ!
こんにちは、シンです。
今回は東京レインボープライドでのTOPIA活動の宣伝です。
東京レインボープライドとは?
東京レインボープライドとは性的指向や性自認(SOGI=Sexual Orientation, Gender Identity)のいかんにかかわらず、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、各個人が幸せを追求していくことができる社会の実現を目指すイベントの総称です。(2017年の公式ホームページより引用)
4/28~5/6(ゴールデンウィーク)はプライドウィークと呼ばれ、様々なイベントが開催されている。
目玉は毎年GW最後の土日に代々木公園にて開催されるフェスタ&パレード。
様々な団体や起業がブースを出店するお祭りと、代々木公園~渋谷スクランブル交差点を歩くパレード。
去年は初めてパレードで渋谷のスクランブル交差点まで歩いた。
いろんなお店がレインボーフラッグを掲げているカラフルな渋谷を歩くのは楽しい。道にいる人々はパレードに手を振ってくれる。
楽しいけど、結構長い道だし、交通整理の関係で止まっている時間が長いので疲れる。
TOPIAは何をするのか?
TOPIAは毎年ブースを出している。去年は教科書の変な記述(思春期になると異性のことが気になり出す)みたいなのを集めて展示していた。
ちゃんと調べてみると結構会社ごとの特徴が出ていて面白い。
どうもセクシュアルマイノリティについては社会科の教科書で扱われている場合が多いようである。
保健体育の教科書ではきちんと記述があったものは2種類に留まった。でも2種類だけでもあるんだなあ。もっと無視されているのかと思っていた。
今年は大学において当事者にとって必要と思われる支援と、実際に存在している支援についてまとめたものを展示し、フリーペーパで配布します。
僕も部分的に書いてるよ!
ちなみに、レインボープライドフェスタは今日明日だよ!
もう寝ないとヤバいよ!
ゴールデンウィークが終わりそうでつらい!
深夜テンションのシン
男女別の健康診断を回避せよ!
こんにちは、シンです。
今回は、新年度につきものの健康診断についてです。
これにもトランスジェンダー特有の悩みがついてまわります。
それをいかにして今まで回避してきたかを書いていこうと思います~
東大の健康診断
東大の健康診断は保健センターという組織が管轄しており、駒場では正門杯ってすぐ左、本郷では龍岡門の近くにある。
また、健康診断には三種類ある。
1. 新入生健康診断
2. 学生定期健康診断Ⅰ
3. 学生定期健康診断Ⅱ
の3種類である。
新入生健康診断は学部の新入生対象で、学生定期健康診断Ⅰはそれ以外の新入生(大学院の新入生とか)対象、学生定期健康診断Ⅱはそれ以外の学生対象である。
1. 新入生健康診断
新入生健康診断は4月の頭に行われ、性別によって指定された時間に行かなくてはいけない。
実は性別違和を理由に時間をずらしてもらうことは可能らしいが、僕はそれを知らなかったので女子枠で行かざるを得なかった。女子まみれの中めっちゃ浮いてて勘弁してほしかった。
検査項目がそこそこ多いので、時間はそれなりにかかった。
検査項目に何があったかあまり覚えていないが、胸部X線と心電図では上半身脱がされた気がする。
2. 学生定期健康診断Ⅰ
これについてはあまり情報が無い。ごめん。
3. 学生定期健康診断Ⅱ
最も多くの人が受けるのがこれだろう。
学内ネットワークから保健センターのホームページを開いて予約するのだが、時間帯は男女別で分けられている。
しかし、これは保健センターに電話をかけることで回避可能である。
他の人がいないときに健康診断を受けることができる。
電話を掛け、性別違和を理由に個別で健康診断を受けたい旨を伝えると、名前と学生証番号を聞かれ、いつ、どのような対応で健康診断を受けるか希望を聞かれる。
代表的な対応として、
1. 正規の時間帯の前後に受診する
2. 正規の日程終了後に別日で受診する
の二つがある。
1. 正規の時間帯の前後に受診する
正規の時間帯が9:00~15:00だとしたら、8:45または15:15に受診するということ。
2. 正規の日程終了後に別日で受診する
健康診断の最終日が6/5だとしたら、6/6以降に受診するということ。
ただし、このパターンだと別途書類を提出する必要があり、指導教官のサインが必要になる。基本的に休学していたり、留学から帰ってきた人が利用することを想定されているからだ。
指導教官と書いてあるが、別に指導教官ではなくて、所属している学科、研究科の職員であれば問題ないらしい。
健康診断の内容としては、身長、体重、あとなんか忘れた。
ただ、胸部X線があったことだけは覚えている。上半身脱がされるので、抵抗がある方は注意。
ちなみに、健康診断は受けなくてもいい。
よく進振りに際して、
「健康診断を受けないと留年する」
みたいな言説が垂れ流されたりしているが、そんなことはない。
でも、せっかくの権利を行使しないのはもったいないので僕は毎年受けている。
後で病院行く羽目になる方が嫌だしね。
性自認に見合う通称名の使用 in 東京大学
こんにちは。シンです。
今回はタイトルにもあるように性別違和を理由とする東大での通称名使用についてです。
トランスジェンダーがぶつかる壁の一つに名前の問題があります。
名前で男性なのか女性なのか判断できてしまいますからね。(「ゆうき」みたいな性別を限定しない名前もありますが。)
僕の戸籍名もはっきり性別が限定される名前なので、大嫌いです。というか、自分の名前として相応しくない。
という訳で学籍の名前を変えました。さらに、学部と交渉して性自認の性で扱ってもらうようにしました(学籍の性別は変えることが不可能)。現状これでかなり生きやすい。
以下、東大の通称名使用制度について詳しく書いていきます~
通称名使用制度 in 東京大学
これから書くことの一部は、TOPIAで発行した「できることガイド in 東京大学」にも載っています。実際、通称名を使用したい方はそちらも是非参考にしてください。
topiaut.wordpress.com
今回は僕のブログで書くので、気楽に書きます~
(できることガイドの原文、僕の表現が当たり強すぎたり口語すぎて直してもらったりしてます・・・笑)
プロセス
1.教務課に申し出る
僕は直接言いに行く勇気がなかったのでキャンパス内の人影のないところから電話で事情を説明しました。一通り説明したあと、直接教務に乗り込みました。
2.教務の中にある部屋に通される
「あの~、先ほど名前の件で電話した者ですが」みたいな感じで窓口に行くと、普段学生は入れない秘密の部屋に通されました。
窓口で立ち話にならなくて良かった。
3.偉い人が出てくる
部屋には教務の偉い人3人がいて、僕の現状を聞かれたり、通称名使用制度についての説明をしてくれたりします。
僕は「性同一性障害を理由に名前を変えたい」とだけ言ったんで、戸籍の名前がすでに変わっているかどうか確認されました。
(戸籍の名前が変わっている場合は出す書類が違ってきます)
4.必要書類について
必要書類は
・通称名使用申請書
・医師による性別違和の診断書2通(2通目はセカンドオピニオンとして)
・保護者の同意書
全部で4つです。
・通称名使用申請書
自分の所属や戸籍の名前、これから使いたい通称名を書く書類。まあわかる。
・医師による性別違和の診断書2通(2通目はセカンドオピニオンとして)
医師の診断書は諸々お金や時間がかかる。僕はこのときすでに半年以上精神科へ通院していたので問題なかった。1通は。
でも1通発行してもらうにも5000円かかった。出費が痛い。そもそも半年の通院自体にお金がかかってたし。
そしてもう1通どうすんだよ、ってなった。
しかし、実はこれ東大の保健センターの精神科でも出してもらえる。
こちらは1回行くだけで済んだので、大してお金もかからなかったが、いかんせん予約がとれない。
保健センターの精神科を舐めていた。需要がえげつない。
そして1回で済むと書いたが、その1回がやたらと長い。誤診を避けるため仕方が無いが、2時間以上かかった。
・保護者の同意書
諸悪の根源。これは大変だった。
まず、フォーマットがない。
「自分で作ってください」って言われた。
「同意書 作り方」とグーグル先生に聞いて作った。そんなことある?
退学届けにも保護者の同意書が必要って聞いたことあるが、退学するときも自分でつくるのだろうか。退学したことないからわからん。
TOPIAのホームページにはできることガイドのページにフォーマットを載せておいた。
実際に僕が使ったやつを個人情報を消してアップロードしたものなので、間違いなく有効です笑。
フォーマットどうこうより何より、性別移行について保護者の同意って厳しい。
何がひどいって、成人していても請求してきやがる。
成人していたら法律上は保護者いないだろ!
この紙ペラ一枚のために我が家は大戦争を繰り広げる羽目になった。まあ、勝ったけど。
以上4つの書類を提出して通称名使用申請は完了である。
その後、所属する学部の教授会を通して(教授会って何だ?)、学部長の許可が下りればめでたく通称名が使えることになる。
ここでまたくせ者なのが教授会とやらで、これは長期休みに入ると開催されない恐れがある。
新学期から名前変えよう、とか思っていると予定が狂う。
平時でも教授会はそう頻繁にあるものでもないと思うので、運が悪いと1ヶ月くらいかかってしまうかもしれない。
(実際、僕は1ヶ月くらいかかった。)
許可が下りると教務課から電話がかかってきて、もう一度教務課に来るように言われる。
最後に「もう前の名前に戻すことはできませんよ」と言われ、通称名使用する意志をもう一度確認される。
自筆のサインをもってその意志を示す必要がある。
こうして何かと面倒な通称名使用許可申請は終わりである。しんど。
まあでも、ここまでやれば念願の通称名学生証が手に入る。
注意点としては、図書館だ。
図書館に入るには学生証を図書館のカウンターで登録し直す必要があるのだ。
僕「学生証変わったんで登録し直してほしいのですが」
図書館の方「紛失再発行ですか?」
僕「そうですね(違うけどいけるやろ)」
図「わかりました、少々お待ちください・・・(パソコンを見る)・・・あっ、名前が(察し)・・・」
僕「」
気まずかった。
図書館には学生のデータがあるようだ。まあ確認した方がいいもんな。
これはちょっと不意打ちだったので心にきた。
でも説明を求められなくて良かった。
あんまり口に出して説明したくない。
図書館の話はできることガイドを作ったときに入れ忘れたんで、次のアップデートで入れねば。
東大性別移行記 その1 「東大入学!LGBTサークルに入る!」
こんにちは。シンです。
今回は東大性別移行記です。
東大に入学し、トランスジェンダーとしてどんな困難に直面し、どのように性別移行したのか書いていきます。
reference-mylife.hatenablog.com
その1 「東大入学!LGBTサークルに入る!」
n年前、僕は東京大学に合格した。
入試の手応えは別になかったので、自分の番号があったときは大回転して喜んだ。
もうウッキウキで入学準備をしていたそのとき、ネットの海から「大学LGBTサークルまとめ」みたいな記事を見つけた。
え、LGBTのサークル?そんなのあるの???気になる・・・でもちょっと怖いな
当時、当事者の友人は誰もおらず、Twitterもやっていなかった僕にとって、同世代の当事者は未知の存在だった。
そして、当時誰にもカミングアウトせず、するつもりもなかった僕にとって、当事者だけの集まりに行くのは非常に怖かった。
バレたら怖いな、でも仲間は欲しいな・・・
という訳で一念発起、東大のセクマイサークル、UT-toposにメールを出した。
いつも使っているアカウントからメールを出すのが怖くて、topos用にメールアドレスを作った。
高校生までは友達にしかメール送ったことがなかったので、なんて文面を書こうか迷い迷って書いたのは、結局必要事項と「周囲の人にセクマイだとバレたくないのですが、それでも参加できますか?」みたいな文だった。
おっかなびっくりメールを送信、ドキドキしながら返事を待っていた。
・・・なかなかこなかった。
で、返信が来たのは2日後。
遅えよ、と思ったが、それは1年後の自分にブーメラン直撃だった。
この1年後にわかったことだが、新歓の時期は結構な数の新入生から連絡がくる。
そしてメールを返す係も新歓期だと別の仕事もあって忙しい。まあ、要するに手が回らなかったのだろう。
身に覚えがある。ごめんなさい。
入会の際の細かいことは詳しく書くとサークルの性質上よくないので書けないが、とにかくサークルの活動に参加することができた。
僕が最初に参加したのは「ランチ会」だ。その名の通り、お昼の時間に集まっておしゃべりする活動である。
ランチ会は駒場・本郷キャンパスで開催されているが、1年生だった僕は当然駒場の方に参加した(東大は1・2年が駒場で、大体の3・4年が本郷。)。
ビビリながらもドアをあけると、そこそこ人がいて、わいわいしゃべっていた。
緊張しながら適当な席に座ると、まずはサークル内での規則の説明。
・当然アウティング(本人の許可なくセクシュアリティをバラすこと)禁止
・ここで聞いたことは口外しない。
・自分が話したくないことは話さなくてよい。
・相手が話したくないことは無理に聞かない。
などなど。
それが終わると、自己紹介をして、おしゃべりタイム。先輩達がいろいろ話かけてくれた。
話の内容はたわいもない話が多い。さすがに初対面で突っ込んだこと聞けないしねえ。
授業の話をしていたら、先輩がシケプリ(試験対策プリント)をくれるという話になった。ありがたい。
まあ、そんな感じで楽しく過ごしたが、一つ問題があった。
トランスジェンダーの先輩がいなかったのだ。
幸いなことにサークル内に一人もいなかった訳ではない。
東大生の生息地は大きく分けて駒場と本郷に分けられる。そしてサークルの活動は自由参加であるため、必ずしも自分と同じセクシュアリティを持った人と会えるとは限らない。東大はそもそもの男女比4:1だし。
そんなわけでちょっとがっかりしていると、その場にいた先輩が、本郷にいるトランスジェンダーの先輩を紹介してくれた。わーい。
最初のランチ会はドギマギしてたら終わっていたが、僕にとってUT-toposがかけがえのない居場所になるのはこれからである。
という訳で最後にUT-toposのダイレクトマーケティングをしておく。
今年の新歓は4/22(日)だそうだ。
毎週ランチ会も開催しているので、興味のある方は是非連絡してみてください。
ちなみにトポスとはギリシャ語で「場所」という意味だ。
数学のトポスとは関係ない。
東大性別移行記 前書き
シンです。
今回は自分が経験した大学内での性別移行について書きます。
長編になると思うのでゆったりおつきあいください。
性別移行とは?
よく性別移行、性別移行と書いてますが、実は性別は変えてません。
あなたは今こう思っているでしょう。
何言ってんだコイツ、と。
順を追って説明します。
ひとえに「性別」といっても、いくつか種類があります。
1.性自認
2.身体的性別
3.戸籍上の性別
あたりが代表的な性別です。通常性別移行と言ったら、戸籍上の性別を変更することを指すことが多い気がします。
しかし、僕は戸籍上の性別は変更していません。(理由は過去の記事を見てください。)
reference-mylife.hatenablog.com
じゃあ何を変えたのかというと、名前です。
それも戸籍ではなくて、学籍の。
大学には通称名という制度があります。そもそもは家庭の事情により名字が変わったが大学では旧姓を使いたいとか、外国にルーツを持っている方で通称名を使いたい、という方々の利用を想定している制度です。
東大では性同一性障害を理由にこの制度を利用して性自認の性に見合った名前を学籍名とすることができます。
学籍には性別のデータもありますが、東大では戸籍の性別変更なしに学籍簿の性別を変更することは現状できません(ICUではできます)。ちくしょう。
よって、僕の現状は、
・学籍の名前を変更
・戸籍は生まれたときからそのまま
身体的な面では
・ホルモン注射はしている
・上半身の手術はしている
という状況です。
ホルモン治療と手術のおかげでパス度(FtMなら男性、MtFなら女性としてどれだけ通用するか)には問題ないので、名前を変えることで無事に埋没(周囲にカミングアウトせず、シスジェンダーとして生活すること)できています。
今はやっと平穏な生活ができていて嬉しいです。
東大に入学した当時、通称名を使用して性別移行してやろうなどとは微塵も思っていませんでした。だってそんな制度あるなんて知らなかったもの。
「いつか性別を変えてやる」とは強く思っていましたが、それは戸籍上の性別を想定していました。
そして、昔のことは隠し、あらゆるつながりを切ってシスジェンダーとして生きていこうと思っていました。
トランスジェンダーであることは、僕にとって個性ではなく、強いコンプレックスでした。
今でもコンプレックスであることに変化はないけど、だいぶ周囲の皆様のおかげで自分と向き合えてきたと思います。
大学生活、いろいろあったし、これからもあるだろうけど、それを記録がてらブログに書き殴ろうと思います。
と、かなり真面目に書いてますが、あんまり堅苦しくないように書いていこうとおもいます~
シン