セクマイ東大新入生に向けて
こんにちは。シンです。
3/10には東大の合格発表がありました。合格された方、おめでとうございます。
僕も合格したときはもう舞い上がって飛び上がるくらい嬉しかったです。
大学は高校までとは違って、行動範囲や人間関係も広がり、自由に満ちあふれています。制服ないし。
僕は高校時代までトランスジェンダーとしては非常に肩身の狭い思いをしてきたのですが、大学に入ってから自由にいろいろできるようになって楽しく生活しています。
しかし、大学というのは自由な分、自分から行動しないと情報が集められなかったりします。
という訳で今回はセクシュアルマイノリティの東大新入生に向けて、耳寄りな情報を書こうと思います~
※セクシュアルマイノリティと書きましたが、どうしてもトランスジェンダー寄りになってしまう部分があります。制度面は特に。
オリ合宿
オリエンテーション合宿、通称オリ合宿。
科類と第二外国語により分けられたクラスでいきなり行く一泊二日の旅行のことである。
開催時期は4/2~7あたりのうち2日
上クラ(2年生でクラス番号が同じクラスのこと。あなたが文三10組なら2017年度入学の文三10組がそれに該当する)の先輩が幹事をやってくれる、同じクラスの人と親睦を深めたり、先輩達から有益な情報を聞いたりするための旅行である。学生有志の企画なので大学はあんまり関係ない。
クラスで親睦を深める場というのはあった方がいいのだろう。
しかし、宿泊行事である。
風呂、部屋割り、当然男女別である。
厳しい。
・・・という訳で僕は行かなかった。
この話で大切なのは、「オリ合宿は自由参加」というところだ。行きたくなかったら適当に理由をつけて断ってしまえばいい。
行かないとクラスになじめないかも・・・と不安になるかもしれない。その辺は他の機会(プレオリという名の懇親会とかクラス会とか五月祭の準備とか)で頑張るしかない。
結局僕のクラスはそんなに仲良くならなかったので、そんなに困らなかったが、正直クラス次第なので「オリ合宿行かなくても全然大丈夫だよ☆」とは言えない。
でも、オリ合宿行かない人は一定数いるし、サークルもあるしどうとでもなるんじゃないかな。
教養学部2年間と言いつつ、実質1年半だし。
健康診断
初年次健康診断は検査項目が多くて大人数を一気にやるのでそれなりに時間がかかる。これも男女別で時間が決まっているのでかなり肩身が狭かった。
駒場保健センターというところが主催で、実はそこに電話して交渉すると個別対応してくれる。
僕は新入生のときそんなこと知らなかったので個別対応にしてもらわなかった。知ってたらな~してもらったのにな~
個別対応にすると通常の健康診断の時間以外でやることになるので、多少待たされたり面倒だったりするかもしれない。
学籍の名前変更
東大では性別違和を理由とした学籍名の変更ができる。
必要書類は
通称名使用申請書(教務課でもらえる)
性別違和の診断書×2
保護者の同意書 である。
これらの条件は緩和できないかTOPIAで活動しているので、少し経つと条件が変わるかも。
(詳しくは過去記事参照)
reference-mylife.hatenablog.com
制度面についてはTOPIAのホームページにできることガイドがあるので、是非そちらも見て欲しい。通称名使用や健康診断について詳しく書いたものだ。
できることガイド in 東京大学-ジェンダー・セクシュアリティとキャンパスライフ-topiaut.wordpress.com
今回はこんなもんかな。
3月中にサークルと授業の紹介がしたい。
する方・される方から見つめるカミングアウト
こんにちは。シンです。
今回は昔書いたカミングアウトについての記事です。せっかく書いたんで載せときます。
※2017年11月に開催された駒場祭にてTOPIAの展示に出したものです。完全にそのまま載せただけ。
最後の一文を言いたかったがためにこの展示作ってます。満足。
する方・される方から見つめるカミングアウト
セクシュアルマイノリティ当事者にとってカミングアウトは大きな出来事である。かくいう私にとってもそうだ。かつて凄まじい勇気と覚悟を抱えカミングアウトし、受け入れられたときには言葉では言い表せないくらいうれしかった。私はあの日のことを一生忘れないであろう。しかし、カミングアウトは人間関係においてゴールではなく通過点である。特にカミングアウトされた側にとっては始まりである。この展示では実体験をベースに様々な視点、時間軸からカミングアウトを見ていきたいと思う。
自己紹介をしておくと、私はトランスジェンダーであり、大学在学時に性別移行している。
する方(当事者側)から見つめるカミングアウト
まず、カミングアウトする側である当事者側からカミングアウトを見ていこうと思う。当事者側とは言っても私自身が当事者であるため、どうしても偏った意見になってしまうことをことわっておく。
カミングアウトする理由
・自分を知ってほしいから
セクシュアリティというのは人を構成する大事な一要素であり、物事の考え方や人生観に影響を与えている場合も多い。隠し事をしていると本当に仲良くなれないと考える人もいる。
・隠し事をするのが面倒だから
自身のセクシュアリティを隠すというのは大変なことである。セクシュアリティを隠すために嘘をつくと、つき通すために嘘を重ねなくてはならないからだ。例えばクローゼットで同性のパートナーがいる場合、「恋人はいるのか?」といった質問にどう答えるか考える必要がある。ここで「いる」と答えると、異性のパートナーであることが前提として話が進むことになり、どんな相手なのか聞かれた際に困る。そこで適当に答えてしまうと、後で別の人に同じ事を聞かれたときの答えと違ってしまったりする。ではいないことにすればいいかというと、「いい人を紹介してあげよう」「恋人もいないようではダメだ」など面倒なことになる場合がある。アセクシャルの人にとっては恋愛話を振られること自体困るだろう。また、そもそも隠す必要性を感じないという人もいる。
・必要性があったから
私にとって一番強いカミングアウトの推進力になったのがこの理由だった。トランスジェンダーが性別移行をすると外見的な変化も起こる以上、どうしても周囲には言わなくてはならない。また、大きな病気に罹った際などは医師に言わないと治療上困るだろう。同性パートナーがいて、社会人である場合、会社によっては福利厚生制度が適応できたり、転勤の際考慮される場合があるため担当者にカミングアウトする、といったこともある。
・周囲の理解を促進したいから
セクシュアルマイノリティに対する無理解の一つの原因として、自分の近くに当事者がいると思っておらず、メディアから得られる偏ったイメージを持っていることが挙げられる。その偏見を打ち砕くには効果的な方法であるだろう。
カミングアウトしない理由
・差別や偏見にさらされる可能性があるから
カミングアウトした相手に理解があればいい。しかしカミングアウトしてみるまで理解があるかどうかはわからない。カミングアウトしたことで今までの関係が壊れてしまうかもしれないし、危害を加えられる可能性もある。
・言う必要を感じないから
カミングアウトしないことによる息苦しさを感じない人もいる。人それぞれである。
・シスジェンダーストレートとして生きたいから
これは私にとって大きな理由である。同性相手と異性相手では距離感が異なることが多い。私はずっと同性だと思っている相手に異性として扱われてきた。性別移行して初めて同性同士のコミュニケーションを取ることができるし、異性として意識してもらえる。本来ならば苦も無く手に入れられるはずだった人生を、私は見せかけだけでも歩みたいのである。
カミングアウトは上記のような様々な理由が絡み合い、「する理由」と「しない理由」を天秤にかけて決定される。これらの理由以外にも様々な理由があるだろう。
される方(非当事者側)から見つめるカミングアウト
カミングアウトする方にとって、カミングアウトという行為はある程度計画的なものである。相手を見極め、この人になら言いたい、と思って言っている。しかし、多くの場合、される方にとっては晴天の霹靂である。カミングアウトについて語られるとき、した方の気持ちや、された方はどういう反応を取るのが望ましいのかについて書かれることが多い一方で、された方の感想はそこまで取り上げられないか、カミングアウトの相手が親族である場合が多いように思う。そこで今回、カミングアウトした友人数名に協力を仰ぎ、私のカミングアウトついていくつか質問に答えていただいた。
・カミングアウトされて驚いた?
「カミングアウトされたこと」自体に驚いた。「トランスジェンダーであること」には驚くと同時に納得したという回答が多かった。
・前から気がついていた?
何となく気がついていたという人から全く気がつかなかったという人までいた。自分としては結構わかりやすい行動をとっていたつもりだったが、周囲の人はトランスジェンダーという可能性が思い当たらないのだろう。
・カミングアウトされてセクシュアルマイノリティに対する意識は変わった?
多くの場合、変わったと回答した。以前にカミングアウトされたことのない人は、実際近くにいることがわかったことで意識が変わったようである。以前カミングアウトされたことのある人でも、トランスジェンダーは初めて会ったという場合がほとんどで、さらにまた考え方が多少変わったという人が多かった。
・以前に別の人からカミングアウトされたことある?
これは半々くらいだったが、そもそも理解のありそうな人を選んでカミングアウトしているので、偏っているのだろう。しかし、ほとんどがこっそり打ち明けられたというよりも、オープンにしている人が周囲にいたとのことであった。カミングアウトできる人はどんどん出来るけど、出来ない人は誰にもできないという二極化が進んでいるのかもしれない。
・カミングアウトされて困ったことはある?
何とも本人に答えにくいであろう質問をぶつけてみた。ここで一つ反省点が見つかった。私はカミングアウトするときに呼び出す理由がないと「大事な話がある」と言っていたことがあった。相手は思い当たる節が当然無い訳なので妙に勘ぐってしまったようである。次からは「聞いて欲しい相談事がある」などにしようかと思う。
質問は以上であるが、それとは別に今回友人たちとカミングアウトについて話したことでわかったことがある。それはカミングアウトした際の反応についてである。私としては「意外とみんな驚かないな」という認識だったのだが、皆内心かなり驚いてどうしていいかわからなかったようである。あまり戸惑った態度をみせると私に悪いと思ったようだった。こちら側もただカミングアウトするだけではなく、具体的にどう接してくれたらうれしいのか、など言った方がいいと感じた。
あとがき
まずは、カミングアウトした後も変わらない友情と、謎のインタビューへの回答を示してくれた友人たちへの感謝を記す。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
今回の展示でカミングアウトを題材にしたのは大きく二つ理由がある。一つは一橋アウティング事件である。2015年に一橋大学で起きた事件で、ゲイの学生が同級生にアウティングされたことを苦に自殺してしまった悲しい事件である。この事件を耳にしたとき、この大学生は自分だったかもしれないと、激しく落ち込んだことを覚えている。この事件でアウティングした方の学生は、告白されたことによる精神的苦痛を回避するためにはアウティングするしかなかったと主張している。アウティング自体許されることではないし、その主張に正当性があるとは思えないのだが、そういえば「カミングアウト」という行為についてされる方に注意を向けたことがあまりなかったことに気がつき、目を向けてみたいと思った。
もう一つは非当事者について書きたかったからである。近年、「LGBTに対する理解を!」と声高々に言われることが多くなり、「LGBTとは何か」が非当事者向けに発信されることが多くなった。それ自体は喜ばしいことだが、我々は一方的に理解されるべき者なのだろうか。シスジェンダーの人がトランスジェンダーのことをわからないのと同様に、私はシスジェンダーのことがわからない。「LGBT」と一括りにされていてもシスジェンダーのLGBについて、私は完全にはわからない。セクシュアルマイノリティは理解してあげないと可哀想といった風潮があるが、あくまでも相互理解である。非当事者が当事者を見つめるとき、当事者もまた非当事者を見つめているのだ。
東大の通称名使用条件の厳しさ
こんにちは、シンです。
いつもこの挨拶から始まってますが、なんか個性的な挨拶欲しいですね。
今回は絶賛TOPIAで取り組んでいる、通称名使用の条件緩和に関する話です。
現在、東大で性別違和を理由に通称名を使用するには以下の書類を出す必要があります。
・通称名使用申請書
・医師による性別違和の診断書2通(2通目はセカンドオピニオンとして)
・保護者の同意書
この条件ちょっと厳しいよね、問題があるよね、ってことで今大学側に働きかけをしているところです。
以下、この条件の問題点について書いていきます。
厳しい点
・保護者の同意書
何がひどいってこれ、成人していても要求してくる。
特例法(戸籍上の性別を変えられる法律)でも20歳以上であれば当然保護者など関係なく性別を変えることができます。(特例法は特例法でハードルが高いけど)
特例法に関しては過去記事にも書きました。
reference-mylife.hatenablog.com
そもそも、保護者って基本的に未成年にだけ存在するもので、成人したら法律上保護者って存在しないし。
そして保護者という最もカミングアウトしにくいといっても過言ではない存在に、カミングアウトを強制してしまうのはたちが悪いし、保護者に理解がなければ大惨事である。
僕もこの条件が家庭内大戦争の引き金になった。
まあ、勝ったけど。
保護者の同意書が必要なせいで通称名使用ができない学生というのは僕の知る限りでも存在して、ただ保護者の理解がないというだけで自分の望む名前を名乗れないというのはなんとも不公平だと思う。
保護者の同意書を大学側が要求する理由は、保護者からのクレーム、もめ事を避けることだろう。
しかし、この保護者の同意書、保護者の全員ではなく、保護者のうちの一人のサインがあれば良いのだ。
よって、保護者が両親の場合、片方の親がサインを書いてくれれば、もう片方の親に全く理解がなくても通称名を使える。
家庭内戦争の更なる拡大が見込めそうな事案である。
そして、あまりクレーム対策にもなっていない。
そもそも、通称名を使用するときに、大学側は学生に「戸籍名と学籍名が違うことについて大学側は一切説明責任を負わない。自己責任。」という条件をつきつけているのだ。
じゃあ保護者に対しても自己責任にしろよ、と言いたい。
ちなみに、ICUや早稲田は保護者の同意書が必要ない。東大もそうしようぜ!
・精神科の医師の診断書2通(セカンドオピニオンとして)
1通は必要だと僕も思う。誰でも簡単に通称名を使用されたら困るというのは理解できる。
また、僕はずっと国が定めた性別違和診断のガイドラインでも診断書が2通必要だと思っていた。だから通称名使用のためにも2通必要なのだと。
どうやら、国のガイドラインでセカンドオピニオンが必要なのは、ホルモンを投与する場合や、性別適合手術を受ける場合だけらしい。
戸籍の名前を変えるだけなら診断書1通で変えられるのだ(戸籍の名前変更は当事者それぞれの状況を鑑みて裁判所に判断されるので、診断書1通だけで大丈夫かはケースバイケースではある)。
ちなみにICUや早稲田は1通で変えられる。
・そもそも性別違和を理由に通称名使用ができることが知られていない
上2つとは違った方向性の問題点である。ここでも高度な情報戦を制さないといけない。
だからこそ僕は「できることガイド」を作ったり、ブログを書いたりしているのだが、その情報もとどかない人がたくさんいるだろう。大学側から公式に情報を流してほしいところだ。
ちなみに早稲田は入学手続きの書類に明記されているそうだ。
以上、3点をどうにか解決できないか、TOPIAでは大学側にはたらきかけをしている。
なんだかんだと通称名使用制度の問題をあげつらったりしているが、フォローしておくと東大もなかなか良い大学である。
理解があって、僕のことを気に掛けてくれる教職員の方もいる。
僕はこの制度のおかげで人生で最も素晴らしい学生生活を送れている。
しかし、そこにたどりつくまでとても大変だった。我ながら頑張ったし、苦労した。
僕はこの苦労の分だけ損したと思っている。だってシスジェンダーの学生は全くしなくていい苦労だ。
「苦労した分だけ人は強くなる」とか言う人もいるが、僕はそうは思わない。
それはその苦労が、その人にとって耐えられる程度かつ何か新たな発見をもたらす、限られた場合だけである。苦労すればいいってもんじゃないし、何でもポジティブにとらえればいいというものでもない。
性別移行でゴタゴタするとかしなくていい苦労である。
僕が苦労して開拓した道はなるべく整備しておくので、後輩には是非とも平らな道を歩いてほしい。
僕が息切れしながら歩いた道も、先人がいたおかげで歩けたはずだ。
東大に「"LGBT虹色トイレ"を作らないで」って言った話
こんにちは、シンです。
今回は多目的トイレサインボードについて意見を聞かれた話です。
先日、TOPIAに1通のメールが来ました。
なんでも東大で多目的トイレの改装をするから、その際に設置し直すサインボードのデザインについて意見が欲しいとのことでした。
そういえば昔TOTOのヒアリング受けたな~、と懐かしくなった。その時はCMで寺田心がやってた菌類のマスコットキャラクターのストラップか何かをもらって、妙にツボってしまった思い出がある。
新サインボードを考えよう
余談はさておき、東大新トイレのサインボードの話。
担当者の方とTOPIA民で机を囲んでディスカッション開始。用意していただいた資料の様々な例を見比べる。
僕はこんな感じのがいいと思った。
言葉を入れるなら「どなたでもご自由にお使いください」と「だれでもトイレ」がいいと思う。
ピクトグラムも車いすの方に加えて高齢者、小さな子供と保護者、妊婦、オストメイトの方と多目的トイレを使えると嬉しい方々が書いてあって、良いデザインではないかと思う。
以下のようなデザインは、男女のピクトグラムが良くないという話になった。
男女に分けるのが嫌な人もいるのに、多目的トイレにまでわざわざ明記しなくていいと思う。必要性がない。
ああだこうだとピクトグラムについて議論していくうちに、ただただ一言「誰でもトイレ」って書けばよくね?って気がしてきたら、車いすのマークはバリアフリーの視点から外せないらしい。
いろんな人の意見を聞いて一つにまとめるのは大変だな、と思う。
LGBTレインボートイレの件
で、表題にある"LGBT虹色トイレ"も資料中に当然出てくる。全否定しておいた。資料に出てくるからとかではなくて先手をうって否定した。
すでにさんざん言われていることだが、このトランスジェンダーを表していると思われる虹色人には問題がある。
1. トランスジェンダーは男女半分の人間ではない。
2. レインボーはセクシュアリティの多様性を表していて、1人1人グラデーションのように違う色を持っているというもの。一人でレインボーなのではない。
そもそも、誰でもトイレにトランスジェンダーのことは書かないで欲しい。多目的トイレを使っているときに周囲の人から「あのひとトランスジェンダーかも」などと思われたら最悪である。
それなら「理由がわからないけど多目的トイレを使っている人」と思われる方がいい。
・・・周囲の人に理由がよくわからない状態で多目的トイレ使うのも気まずいけれど。
そしてこのマークをつけたトイレをLGBT用トイレと言うな。シスジェンダーLGBの方は男女どっちのトイレに入るかで困ることはないだろう。
この辺りを中心にメタクソに言ったが、向こうの担当者の方も虹色トイレが良くないことは他のヒアリングでわかっていたようである。話が早くて助かる。
しかし、どうやらお偉いさんの中には虹色トイレマークをつけることで「こんなにLGBTに配慮してますよ~」と外部にアピールしたい派がいるようだ。
もっと別のところでアピールやってほしい。
仮に虹色トイレでアピールしたとして、それはもう炎上商法である。
東大側もそんな炎上商法をする気はないので虹色トイレになることはなさそうだ。
やったね。
本当にトランスジェンダーに配慮するのであれば、性自認の方のトイレ利用を認めることが望ましいと思う。
どうせ反発があるんだろうけど。
落としどころとしては、男子トイレか女子トイレ、どちらかに入らないといけない状況をなくすのがいいのだろうか。
男子トイレと女子トイレに加えて、性別にかかわらず入れるただただ個室がズラッと並んだトイレもあればいい。多目的トイレはどうしても体を動かしにくい人のためのものという印象が強く、使いにくさがある。
そもそも、東大は多目的トイレがない建物があったり、女子トイレと多目的トイレが同一化しているものもある。
とりあえず7号館はトイレに限らず改装してほしい。
(駒場7号館:男子トイレは1,3,4階、女子トイレは2階のみという数の少なさかつ全体的にボロい)
本郷学生相談所に呼ばれた話
こんにちは、シンです。
あけましておめでとうございます()。気がついたら年が明けてました。
そして3週間経ってました。
2018年もバリバリ大学に働きかけをしていきたいと思います。
新年と言うことで気持ちを新たにしたいところですが、12月にしていた活動を全然書いてないので書きます。(ついついさぼってしもうた。)
今回は本郷学生相談所にTOPIAが呼ばれた話です。
事の発端は11月下旬に本郷学生相談所の所長さんからメールが来たことです。
「セクシュアルマイノリティ学生に対する支援について考えていきたい。それに関して『できることガイド in 東京大学』を見て参考にしている。良ければ直接会って意見を聞きたい」といった主旨のメールでした。
聞きたい内容としては
・学生相談所機関に対する意見
・大学全体への要望
・より広く社会に対しての意見
とのことでした。
学生相談所というのは文字通り学生が悩みを相談するところです。僕は性別移行問題でゴタゴタしていたときに駒場で利用したことがあります。
僕の時は問題なかったのですが、同性愛や性別違和に対して安易なことを言ってしまう相談員もいる模様です。
駒場の相談所ホームページにある、よくある相談例のリストにも
・両親や友人,異性との人間関係に悩んでいる。
って書いてあるんですよね。これ「恋人との人間関係」を想定して「異性との人間関係」ってなってる気がして良くないと思うんですよ。「異性」って書いてあるだけでも相談しにくく感じるだろうし。
(本当に任意の異性との人間関係に悩んでいるパターンもそこそこありそうだけど、この文章書いた人が想定しているのは恋人じゃないかなあ。)
・・・という訳でせっかく学生相談所に乗り込むわけだからこの辺りの文句をたたきつけてやろう!と、勇み足で行きました。
・学生相談所に対する意見
の項目はバッチリだ()
所長さんに言えばいい感じの表現になるだろ~、と。
だって所長よ、所「長」。
ところがどっこい、ここで新事実発覚。
駒場学生相談所と本郷学生相談所、別組織だそうで。
上記の物申したいことは全部駒場の話。本郷の所長さんが責任者ではないのですよ。
・・・今調べてみたところ、ホームページの相談例のところ
駒場 両親や友人,異性との人間関係に悩んでいる。
本郷 友人や恋人とトラブルになった
なんですよね。本郷の方は異性って使われてない。別組織だからこそ表現が違うんですかね。
別組織と言っても当然同じ名前を冠するだけあって関連組織だから、もちろん本郷の所長さんに意見を伝えれば駒場にも影響を与えられるでしょう。
・大学全体への要望
では性別違和を理由にした通称名使用の要件が厳しい、という話をしました。
成人していても保護者の同意書が必要なのが最大のネックだと僕は思います。
正直、はあ!?、って思いました。
家庭内大戦争の火蓋を切り落とす気マンマンかよ。
どうにかこの要件は消し飛ばしたい。
あと東京大学憲章の差別禁止のところに性自認と性的指向も入れたい、と主張しておいた。
たった一文、されど一文。多様性を謳うなら入れなさいよ。
東大は男子学生が多いから女子学生を増やすことだけで多様性!ってなりがちでよくない。女子生徒ももっと当たり前のように増えるといいけど、この辺は東大のせいではないところも大きいからなあ。
・より広く社会に対しての意見
この話題になったときにはだいぶ時間が経ってました笑
文部科学省が大学教職員向けにも性的少数者に関するパンフレットを出す動きがあるという話でした。
小中高校向けには「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」というパンフレットがあります。
こういったパンフレットが作成されることは嬉しいけど、やっぱり教科書でもっと扱ってほしい。制度面がクリアできても周囲の理解がないと暮らしにくい。
あと、せっかく学校側に理解があっても、未成年のうちは保護者の理解がないと制度の利用が厳しいのがつらいところ。
徐々にでも学校教育の中でセクシュアルマイノリティに対する理解が促されるようになってこれからの世代、セクシュアルマイノリティであろうとなかろうとどんなマイノリティであろうとマジョリティであろうと暮らしやすい世界になってほしいものだ。
戸籍の性別変更条件がえげつない
シンです。
トランスジェンダーとして困ることを聞かれたときに、「戸籍の性別と外見が食い違っている」とよく言います。すると「なんで戸籍の性別変えないの?」と聞かれることがあります。
変えたくても変えられないんだよ!
という訳で今回は戸籍の性別を変更するための条件がえげつなく厳しいことについて書きます。
日本において戸籍上の性別は2003年に成立した【性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律】、通称『特例法』によって変更することが出来ます。
特例法
第三条 第1項
家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 二十歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
第2項
前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。
このように戸籍上の性別を変更するためには条件があります。これらの条件について思うところを書きます。
一 二十歳以上であること。
性別を移行するということは基本的に不可逆なことですから、ある程度の年齢制限があるのは妥当でしょう。(ここで不可逆というのは身体的処置のことです。)でも、18歳以上でいいのではないかと思います。参政権も18歳からになったしね。
当事者にとって20歳以上が18歳以上になることは2年早く性別移行が出来る、ということ以上の価値があります。
18歳というのは(留年等しなければ)高校3年生です。18歳で性別移行ができれば、移行後の性別で進学・就職ができます。同一のコミュニティに属しながらの性別移行は周囲の人へのカミングアウトをせざるを得ない状況になり、人間関係が面倒なことになりがちです。年齢制限が緩和されれば当事者がとれる選択肢が増えることでしょう。
・・・そもそも年齢で区切ってしまうと同じ学年でも4月生まれと3月生まれで約1年の差が生まれてしまうんだけどね。ここだけ数え年みたいな考え方をするのが一番いいのだろうか。「18歳になる年の1月1日以降から可」みたいな。
そしてこの条件だけ緩和されても性別適合手術の要件が20歳以上である限りどうしようもないけど(後述)。
二 現に婚姻をしていないこと。
2017年現在日本で同性同士の結婚が認められていないことの弊害によるものであり、性別に関係なく結婚できるような結婚の平等が実現されれば自ずと消滅するはずの要件です。それが難しいんですけど。早く実現してくれ。
三 現に未成年の子がいないこと。
2003年当初は「現に子がいないこと」でしたが、2008年に「現に未成年の子がいないこと」緩和されました。
これは「父親が母親または母親が父親になったら子供が混乱する」ということが理由として挙げられます。確かに親の生別が変わったら子供は戸惑うでしょう。でもそれって戸籍の性別ではなくて社会的性別、性表現の方ですよね。いきなり父親が「実は女でした」とか言い出したらその時点で子供は驚くわけです。 だから子供を理由に戸籍の性別を変えられないのはナンセンスな訳です。
「性別を自由に選択できる権利」と同様に「子の福祉」も尊重されるべきであり、自身の子供と密接な関係を持ちながら性別移行することは難しい問題で、個々の家庭事情にもよると思います。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。
はい出ました今回一番槍玉に挙げたい条件。
僕が引っ掛かっている条件でもあります。何が問題かって?これらはどちらも手術を必要とするというところです。
MTF(性自認が女性で生物学的性別が男性)だと精巣摘出と陰茎切除、
FTM(性自認が男性で生物学的性別が女性)だと卵巣摘出が必要です。
手術というのはそれはもう大変です。どこをどう手術したかによって多少変わってきますが、大体1~2週間ほど入院が必要なのではないでしょうか。
そしてお金がかかります。これまたどこをどう手術するかで変わってきますが、戸籍変更にこぎつけるまでに200万近くかかります。冗談じゃないですよ。
身体に大きな負担をかけることになるため、高齢の方や持病を持っている方の中には手術そのものが耐えられないという事もあるでしょう。
確かに、ある程度移行先の性別に近い身体を持っていなければ周囲が混乱するというのはわかります。しかしながら下半身は日常生活で人に見せないし、FTMの場合であれば卵巣があろうがなかろうが外見に影響しません。
また、内性器は生命機能の維持に重要な性ホルモンを分泌しています。
内性器を摘出してしまうと、自力で性ホルモンを作ることができなくなるため、一生定期的に注射を打つことなどで摂取しなければなりません。これもお金がかかります。
四 生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。に関しては2014年にWHO(世界保健機関)より「生殖機能の喪失を強いることは人権侵害だ」という声明が出ています。海外に目を向けてみると、手術なしで性別変更できる国は10カ国以上あります。
他の国がやっているからなんでもやればいいって訳ではありませんが、他の国でできているなら日本でもできると思うのです。
ちなみに最近性別適合手術の保険適応が検討されているようですね。それはいいことだと思います。しかし、その理由が「戸籍の性別を変更するのには手術しなければならないから」はちょっと違うと思うのです。それならば手術要件を撤廃しろよ、と思います。
手術を受けたい人が受けられる、戸籍を変えたい人が変えられる、という状況が望ましいと思います。
性別適合手術の重要性は人それぞれなのだから。
と、ここまでは一般論的なことを書きましたが、以下個人的な思いを書きます。
僕は内性器摘出はしていませんが、外見で周囲にトランスジェンダーだとバレることなく平穏に暮らしています。しかし、現状の法律では性別を変えることができないため、
その周囲の認知は戸籍とは食い違ってしまいます。
病院の診察券やマイナンバーカードには見た目とは違う性別が書いてある。それだけでも精神が削られます。(身体性別の情報が医療的に必要なことがあるため診察券は納得できますが、マイナンバーカードは許さないからな)
そしてそれを人に見られてはいけないという恐怖。パスポートには性別が書いてあるため、友人と海外旅行に行くのも憚られます。
大学ではどうにかなったけれども、就活のときはどうすればいいのだろう。悩みは尽きません。
そしてそういう壁にぶつかる度に呪われているなぁ、と思うのです。
僕の戸籍は何故変えられないのでしょうね。手術ってそんなに大切ですか。
手術すると単純に身体がしんどいのでもうやりたくないんですけど。
かつての僕も含めてだけど、みんな手術について軽く考えすぎてないか?
手術しないと周囲に混乱がー、とか言う人いそうだけど、外見と戸籍が噛み合ってないと、戸籍そのままの方が社会に混乱をもたらすと思うのですが、どうですか。
僕はトランスジェンダーの代表でもなんでもないし、一例だけで法律をどうこう言うもんでもないことはわかっていますが、ついついこう思ってしまいます。
シン
【あと1日!】駒場祭宣伝特別企画 ~去年の展示を振り返ってみよう~ その2
こんにちは。シンです。
今日は駒場祭の準備日でした!頑張って設営して、とても良い雰囲気の部屋になりました!どのように良いのかは是非足を運んで確かめてください~
場所はKOMCEE EASTのk214、2Fの一番奥です。
今回は前回の記事の続きです。
reference-mylife.hatenablog.com
という訳で去年の駒場祭展示「東京大学におけるトランスジェンダー生活~出典:我が人生~」より、授業の時に困ったことです。
※性別移行する前のことです。
東大にはスポーツ身体科学(スポ身)と呼ばれる体育の授業がある。着替える必要があり、更衣室の問題が発生する。これは事前に教員に相談することで着替える必要のない座学中心のクラスに変更できる。
東大では1年次の必修にスポ身と呼ばれる体育の授業があります。トランスジェンダーの多くにとって体育は壁です。どうしても男女分けが出てきますから。
まず更衣室。男女ではっきり分かれているので、多目的トイレで着替えたりしてました。
あと男女混合でやるので、女子に優遇措置があったりします。この辺は種目と教員に左右されると思うので難しいですね。
女子に優遇措置が必要なのかどうかも意見が分かれるところです。
僕はそもそも運動のできるできないでハッキリと成績つけなくていいと思っているので筋肉量の差を理由に女子を優遇しなくてもいいのではないかと思っています。
というか、スポ身進振りから除外してもいいんじゃないですかね。進振りに関係なければ成績そんなに気にしないでしょ。
名前を呼ぶ際、男子はくん付け、女子はさん付けという先生が多い。男女の区別がつかないような呼び方が望ましいと思う。
一部の名簿には性別によって色分けされている物がある。理科類の必修である実験の班分け名簿は女子のみピンク色のラインが引かれている。必要性が理解できないので廃止すればいいと思う。
語学やスポ身では出席を点呼で取ることが多いです。すると教員は男子を「くん」、女子を「さん」で呼ぶことがほとんどです。
別に全く深く考えていないだけなんだと思います。が、わざわざ男女で呼び分けるの面倒ではないですか?
しかも、東大は女子が少ないので、勢いで女子を「くん」で呼んでから「さん」で呼び直すことが結構ありました。
トランスジェンダーどうこう以前に、いちいち呼び直すくらいなら全員「さん」でいいと思ってました。
実験名簿はこれ見よがしにピンク色の線が引かれていてとても不愉快でした。そんなに女子学生の名前を目立たせる必要ってあるのか?
という訳で「必要性が理解できないので廃止すればいいと思う」と書いたら、「私は教員ですが、確かに必要性がわからないので会議にかけてみようと思います(意訳)」とポストイットに書いて貼ってくれた方がいました。書いてみるものです。
英語の授業だとファーストネームを呼ばれがちである。かといって名字だとMr.やMs.がついてしまうだろう。初回の授業でニックネームでも決められるようにすると良い。
これはもうとても嫌でした。性別移行前のファーストネーム嫌いなんですよね。油断していると呼ばれるので「うわぁ」ってなってました。
別に性別違和とかでなくてもファーストネームで呼ばれるの嫌な人いるんじゃないですかね。
逆に名字が嫌な人もいると思うので、臨機応変に呼び方本人に選ばせればいいと思います。
これで授業編は終了です。
記事を書いている間に日が変わってしまいました・・・
もう駒場祭当日ですね。楽しみだなあ。という訳で寝ます。
おやすみなさい。
シン